駄文

その小指に約束が 05


優しい陽だまりのなか小さな女の子がふたり公園でシロツメグサを編んでいた。近くの教会の鐘が鳴り響きふたりは視線を向けたあと顔を見合わせて音のした方へと駆けていく。幸せな光景がそこにはあった。白いドレスに身を包んでいる花嫁と幸せいっぱいに微笑んでいる新郎。それを祝福するものも皆笑顔だった。女の子はそれに目を奪われてしばし惚けて、ふたりで綺麗だね!と笑いあう。
「あたしが結婚式する時はお祝いしてくれる?」
「当然!でも、相手の男の人が綾奈ちゃんを泣かせたらこてんぱんにしてやるんだから!」
「こてんぱん? ふふっ、じゃあ私も、涼子ちゃんを泣かせたらこてんぱんにする!約束よ!」
「うん。約束」
女の子はお互いの小指を絡めて笑いあった。



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